ヒスタミン中毒の治療と対処法は?症状詳細と予防グッズ紹介!
みなさん、ヒスタミン中毒って知ってますか。
ヒスタミン中毒といえば、2015年1月に青森県の八戸フーズが生産していたブリ加工品から発症した事例で注目されました。
最近でも、福島県で消費期限切れの魚を食べて87人が食中毒になったというニュースも聞かれます。
そこで、今回は、そのヒスタミン中毒とはどのようなものなのか、一般的な食中毒と何が違うのかを中心に解説していこうと思います。
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ヒスタミン中毒って?発症のメカニズムは?
ヒスタミン中毒というのは、簡単にいえば、「ヒスタミン」という化学物質を多く含む魚を食べることにより発症する食中毒のことをいいます。
ヒスタミンを含む魚は、赤身の魚で、マグロ、カジキ、サバ、ブリ、サンマなどが挙げられます。
ヒスタミン中毒は、じんましんや吐き気、頭痛を引き起こします。
死亡事例はありませんが、ひどいときは呼吸困難にまで陥ることもありますね。
ヒスタミン中毒の特徴は、いわゆるO-157のようなウイルス型の食中毒ではなく、化学物質型の食中毒だということです。
そのメカニズムは、上記の魚介類に多く含まれる必須アミノ酸のヒスチジンが、細菌(ヒスタミン産生菌)の酵素の働きによって生成されます。
このヒスタミン産生菌が多く繁殖するのは20〜25℃以上の温度ですので、買ってきてからすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れてしまえば、生産から販売の過程に問題がない限りヒスタミンが大量に生成されることはありません。
冷蔵設備が普及した現代においてヒスタミン中毒の報告例が少ないのはこのせいなんですね。
では、なぜ最近報告されることが多くなったのか。
ヒスタミン中毒には意外な盲点があったのです。
ヒスタミン中毒の意外な盲点!意外な原因とは?
まず、スーパーから魚を買ってきて、後日食べようと思って冷凍した場合、調理の際には当然解凍をすることになりますよね。
このとき、常温で解凍してはいませんか。
前述の通り、ヒスタミンは20〜25℃で繁殖量が多くなります。
もちろん、これ以下の温度でも、温度が高くなるにつれて繁殖量が増え、魚肉に蓄積されていきます。
したがって、常温解凍をすると、その過程でかなりの量のヒスタミンが蓄積されてしまう可能性があるのです。
次に、ヒスタミンは、魚が腐っていなくても蓄積されるということです。
魚が腐ってしまい異臭を放っていれば、食べる気にもならないのでヒスタミン中毒になることはないですよね。
でも厄介なことに、ヒスタミンが増加しても外観の変化も無ければ異臭も伴わないので、食べる前にヒスタミンに汚染されているか否かを判別することは極めて困難です。
さらに、これに加えて、一度生産されたヒスタミンは加熱しても分解されません。
ウイルス型の食中毒は大抵加熱すれば死滅しますが、化学物質であるヒスタミンは加熱をしても消えることはないので、注意が必要なんです。
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ヒスタミン中毒の予防法は?おすすめグッズ紹介!
では、ヒスタミン中毒にかからないようにするためには、どうすれば良いのでしょうか。
ヒスタミン中毒にならないためには、まず口にする食料品にヒスタミンが生じないようにすることが考えられます。
そこでまず、買ってきた生魚はできるだけ早めに消費することと、冷凍した魚を解凍する際には、常温での解凍は絶対に避けるということです。
面倒でも、冷蔵庫で一晩かけて解凍することをお勧めします。
また、冷凍や冷蔵をする際には、一般的な保鮮シートを用いると鮮度を保つことができます。
その中でもアクティブ・21社の「抗菌保鮮紙」は、通常の保鮮シートと同様、解凍する際のドリップ(余分な水分や油分)を吸収し雑菌の付着を防ぐだけでなく、これで食品を包むことによりヒスタミンを減少させる効果もあります。気になる方はぜひ使ってみてくださいね。
食料品に多くのヒスタミンが生じてしまっている場合、体内に摂取する前に気づくことでしか予防しえません。
前述のように、ヒスタミンが大量に生じてしまっていても、外観などからは判別しようもないのですが、実はどうしようもないというわけではないのです。
ヒスタミンが大量に含まれた魚を食べた際には、舌がぴりぴりすることがあります。
したがって、口に入れたときにこのようなことを感じたときは、直ちに吐き出してしまえば、ヒスタミン中毒になるのを防ぐことができます。
その他の予防法として、主に青魚は、酢で〆ることにより、ヒスタミンの発生を減らすことができます。
青魚以外でもマグロなどは醤油で「漬け」にするのが一般的ですが、これをポン酢にすることにより応用できますね。
サバやサンマを安売りでたくさん買ってきたけどすぐには全部食べられない、という場合には、食べきれない分を酢で〆てしまうと良いでしょう。
ただし、ヒスタミンの発生量がゼロになるわけではないので、それでも数日中には食べきってしまいましょう。
ヒスタミン中毒の症状と対処法
それでも食べてしまったときには、その症状をできるだけ軽くするよう努力しなければいけません。
ヒスタミン中毒の潜伏期間は非常に短いので、顔面や耳たぶが赤くなり、じんましんや頭痛、嘔吐、下痢などの症状が食べてから数分〜数時間後に発症します。
応急処置としては、大量の水を飲み、胃の中の原因物質を全て吐き出してしまうということです。
あくまで応急処置ですので、落ち着いたら無理をせず病院に行きましょう。
まとめ
今回は、冷蔵設備が充実した現代ではもはや過去のものとなったと思われたヒスタミン中毒についてご紹介してきました。
重症化しづらいとはいえ、食あたりは防ぎたいものですよね。
最低限の予防法と応急措置の方法は押さえておきたいものですね。
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